プレコ体色変化について思うこと。

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↑スーパーメガクラウンゼブラプレコ L236タイプ♂

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↑スーパーメガクラウンゼブラプレコ L236タイプ♂の腹部

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↑L236 ドイツブリード♀

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↑L236 ドイツブリード♀の腹部

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↑オリノコリアルメガクラウンプレコ

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↑オリノコリアルメガクラウンプレコの腹部

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↑オリノコメガクラウンプレコ(色彩変異個体):リアル表現から体色変化した個体

ヒパンシストルス属プレコの魅力は何と言ってもその体色の多様性にありますが、一生涯同じではなく成長と共に黒勝ち⇆白勝ちに変化を遂げる個体もいます。また雌雄によって、体色変化の傾向に違いがあるとも言われています。

私はプレコの体色と柄は、ディスカスのそれらと同様に、基調色(アルビノ個体が持つ色調)とその上に乗る色素胞(色素細胞)により決まると推測しています。ちなみに色素胞(色素細胞)は真皮に存在していますが、体表に深く傷を負えば剥離してしまうこともあると思います。勿論どの種類の色素胞(色素細胞)がどの時期にどの場所で発現するかは、それぞれの個体が保有する遺伝子により調節されています。そして短期的な体色変化(色飛びしたプレコが落ち着くと黒くなる)はもとより、仮に長期的な体色変化が生じたとしても、外部からの取り込みに高依存するプテリジン・カロテノイド顆粒以外では特に、1個体当たりが持つ色素顆粒の総量は変化していないと考えています。言い換えれば、色素顆粒は生産後保持され、色素胞(色素細胞)内で移動はするが増減はしていないということです。この通りであるならば、色彩変異個体のように元々はリアル表現であった個体が、成長に伴い体色変化して一見地味な個体になる現象も説明が付く気がします。もしかしたら色素顆粒の総量は動的平衡(一定のスピードで減り一定のスピードで増える)状態にあるのかも知れませんが。。

つまり時間軸をパラメータとしてその生理現象を見ればレンジに大きな違いがあるものの、プレコの長期的な体色変化もその機構自体は、魚類・両生類の短期的な体色変化と基本的に類似しているのではないかと思うのです。
具体的には、体色に関わる色素胞(色素細胞)は1種類の色素顆粒を含むものと2種類もしくはそれ以上の色素顆粒を含むものがあり、2種類以上の色素顆粒を含むものでは各々の顆粒の移動場所は決まっていて混ざることはありません。この色素顆粒の拡散・集合により生理的体色変化が生じ、すなわち色素顆粒が色素胞(色素細胞)内に拡散すると皮膚の色はその色が濃くなり、一方凝集するとその色調を失います。注意すべきは色素胞(色素細胞)そのものが移動するわけではなく、その細胞質に含まれる細胞小器官の1つである色素顆粒が移動した結果として体色変化が起こるという事です!

色素胞は黒色・赤色・黄色・青色・白色・虹色の6種類が知られており、色素顆粒の拡散・集合の刺激はホルモンによるものが多い事が分かっています。それぞれの色素顆粒は黒色素胞は、メラニン、赤(黄)色素胞はプテリジン・カロテノイドになります。ただし白色素胞並びに虹色素胞の発色は色素顆粒(光吸収性色素)によるものではなく、グアニンなどを主成分とするプリン類の蓄積によるものであり、その高い光反射率に起因する物理色です。

黒色素胞(メラニン顆粒を細胞質に含んでいる色素胞で黒または褐色に見える)に着目すると、メラニン顆粒が集合すると透明または明るい体色になり、拡散すると黒色または暗色の体色になります。魚類・両生類では、色素顆粒の拡散とメラニン色素合成を促進して、体色の黒化を引き起こすホルモンであるインテルメジン(黒色色素刺激ホルモン:脳下垂体中葉から分泌されるホルモン)によりこの機構がコントロールされています。

○黒ライン・黒スポット・黒ドット→メラニン顆粒が拡散した色素胞(色素細胞)により構成されており、色素胞(色素細胞)そのものの色が見えている。よって色飛びする
●イエロー系地肌→プテリジン・カロテノイド顆粒が拡散した色素胞(色素細胞)により構成されており、色素胞(色素細胞)そのものの色が見えている。よって色飛びする
●ホワイト系地肌→白色素胞(白色素細胞)が持つ高い光反射率に起因する物理色に加えて、メラニン顆粒が凝集した透明な色素胞(色素細胞)を通して基調色が透けて見えている。仮にこの通りならば、キンペコのくすみのない白とインペやダップルドのくすんだ薄い白との違いは、白色素胞(白色素細胞)もしくは基調色のどちらに高く依存するかだと思います。つまりキンペコの白は白色素胞(白色素細胞)に、インペやダップルドの白は基調色により高く依存しているのだと推測しています。風合いとしてはキンペコの白は白変個体(色飛びする)の色調に、インペやダップルドの白はアルビノ個体(色飛びしない)のそれに近い感じです。

※旺文社 生物辞典参照
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